今回はほぼ完売だったのではないでしょうか?私が入場する時はS席残5枚でした。満席状態の劇場は活気があって良いですよね。拍手も大きいし、帰りの混雑もちょっと嬉しかったりします。
さて、舞台のほうですが、今回はアクシデントが2、3ありましたが、初見の人には分からない程度です。
アクシデント<その1>二幕ラストでファントムが投げる人形の足首がファントムの玉座の台座といすの隙間に嵌って飛んでいかず。玉座の足元に人形がダレ~と転がったままになってしまいました。人形を持ち上げる時に高井さんの腕の力が足りなかったのか、はじめから人形の足首が嵌っていたのか。。。
このままどうなるのだろうか、どこかで人形を直すのか、スタッフが出てくるのか…なんて気になりましたが、きっとそのままラストに行くのでは?違和感はないし、という事で自分を収め、気持ちを舞台に集中しました(^^;
で、ラストは予想通り、人形はそのままで 花嫁人形と玉座と仮面とメグのラストでしたが、違和感はなかったです。
心なしかファントムが椅子に布をかける時に布が浮かないようにか人形にまで布をしっかりとかけたように見えました。
アクシデント<その2>オークショナーの鈴木さんが台詞を間違えた!
「このシャンデリアはあの事件で使われたシャンデリアです」と言っていました。
正しくは「このシャンデリアはまさにあの惨事で重要な役割を演じた品物」ですよね。
アクシデント<その3>青木フィルマンさんの投げた2投目の新聞が5番ボックスの柱(多分)に当たって跳ね返ってきました。青木さんの新聞投げはとても勢いがあってしかも位置が高い!スパーンって気持ちよく飛びます。今回はスパーンって飛んだ後、
バコッと音がして戻ってきて舞台上にポトリ(^^;
メグがその後さりげなく拾ってデスクに片付けていました。
カテコはほとんどスタンディング!3人登場にお手振りもあったけど、送りの音楽までは続きませんでした。終演後ロビーに取材カメラが来ていました。
次は役者別の感想ですが、
まずは
鈴木さん。オークショナーの無機質な声質・台詞回しが現実離れした世界へ導いてくれるようで私は好きですし、ルフェーブルのせかせかしさ、苦々しさも好きです。
斉藤さんのレイエも厳しさが倍増しになった感じで専制君主カラーが更に強くなってきていました。
はるちゃんクリスですが、なかなか素敵なクリスでした。ちょっと惚れました。
初めは「いつも夢見ているような」感じには見えず、楽屋の台詞もちょっと低めでゆっくりと喋られるのでユタの小夜ちゃんを連想してしまい、「あれ?」って感じでしたが、それ以外の歌や表情は良かったです。今回は1幕のファントムの素顔を見た時と2幕の「ドンファンの勝利」でファントムのフードや仮面をはずす時の表情が良かったです。
興味本位で外した仮面の後ろにあったファントムの深い悲しみを知った時の表情、仮面をそっと返す時の表情が慈愛に満ちていました。
2幕のファントムのフード、仮面を外す時に首を振りました。これはドンファンがピアンジとは違うという確認の思いか、ドンファンが「殺人鬼ファントム」であって欲しくないという思いなのか、自分はファントムから逃れられない運命を目の当たりにした思いなのか、複雑な思いがあるように思います。
どこかクリスティーヌにはファントムが殺人鬼である事を信じたくない、仮面の下にある醜さ、ファントムの悲しみを常に感じているような気持ちがあるように思えました。
ラストもラウルを助けたい気持ちを持ちながらもファントムの悲しみを知っているからファントムを最後まで憎む事が出来ない、その間の揺れが良く分かりました。
で、ラストのキスシーンはファントムを肩から力強くこちらを向かせ、キス後はしっかり深く抱きしめる。母性を強く感じるクリスティーヌでした。
指輪を返すシーンも心が泣いている子供をなだめるかのような感じにとれました。高木さんの儚げなげでちょっと陰な感じのクリスも好きですし、今回のはるちゃんのようなクリスもいいですね。
高井さんは絶好調とは言い難いですが、まずまずだと思います。歌声を伸ばす時などに時々エヘン虫が喉に絡まった感じがあったり、歌詞が時々かなり不明瞭になったりしていましたが、勢いと熱さがありました。歌詞ですが、初見の人にはちゃんと伝わっているのでしょうか。不明な場所が結構多かった気がしました。今回は出だしから「鏡に向かって」が「はがみ」になっていたし。。。「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」も「墓場にて」も結構気になりましたし、いつものように「地獄」はしっかり「ちこく」だったし(^^;そろそろ交替かな?ってちらっと頭をよぎりました。
今回は1幕の地下室のシーンの花嫁人形の布を外してクリスティーヌに見せ付ける所の高慢さが妙に素敵で惚れ直しました(笑)
ラストのキスシーンは電気が走ったように指がビリビリしていました。それも1回目のキスシーンから。あんなに激しく震わしていたなんて~、ちょっと感動しました。でもこれだけ熱演しても高井さんのファントムって汗をかかないのですね。知的でどこか冷たくて乾いた感じがします。佐野さんは涙、鼻水、汗?で湿気たっぷりですから~(^^;
ラストの「わが愛は終わりぬ」の歌声が以前のような深い響き、胸にズドーンと来る太さ、強さが少なくなった気がしました。
岸さんもいつもながら熱いですね。クリスティーヌを必死で守ってあげている思いが伝わってきます。歌は涼太さんの時にハラハラした部分が綺麗に出るのでその部分は安心でした。あとは髪型ですかね(笑)
以下は続きへ…